広告とインフォームドコンセント

投稿をパッと見た瞬間に、なぜ医療関連の単語がタイトルになっているのか頭を「???」がよぎった方がいるかもしれません。

もちろんインフォームドコンセントといえば現代医療における考え方の一つで、完全に医療関連の単語といえるでしょう。

しかし広告や情報を扱う私たちにとっても、実に参考になる考え方なのです。
実際にこの考え方を広告や宣伝に応用することで、今までに至らなかった情報の在り方を考えるきっかけになるかもしれません。

医療におけるインフォームドコンセント

病院などにおけるインフォームドコンセント(IC)とは、たとえば治療法が複数ある病気の場合に多く用いられます。

治療法Aの場合のメリット、デメリット。
治療法Bの場合のメリット、デメリット。

それらを患者に誤解が生じないようしっかりと医師等が説明をし、その上で患者が決定をするという方法に代表されます。

他にも薬の開発などでは臨床試験に参加される方に対して、
どのようなメリット(ベネフィット)、デメリット(リスク)の可能性があるか。

また、治験の場合では偽薬(プラセボ)に当たる可能性があること。

本人の意思によっていつでも中止、中断できること。

そうした旨を誰でもが理解できるように説明をした上で参加の同意を取る、という使い方をすることもあります。

広告での応用

「この製品は圧倒的にこの部分が優れています!他社に負けないこのコスパ!顧客信頼度No1!」

こういった文言はその製品についての優れた点を大々的に述べ、魅力を伝えた上で購買層に強い印象を与える方法といえます。

ものすごく強いインパクトを付与することもできますし、広告を扱う者としては知らなくてはならないテクニックでしょう。

ところが強い印象を与える手法だけに、やりすぎると誇大広告になったり、法律による規制をも受けてしまいます。

場合によってこういった手法は、他社製品を落として優良誤認させるものまで幅広くあります。


「この製品は職人が一つひとつ作り上げます。お値段以上の真心をお届けしたい願いがあります。」

こちらの場合は、確かに職人の手仕上げという魅力を伝えながらも、価格での勝負は難しい気持ちが見え隠れします。

もちろん広告として価格が高い旨をダイレクトに表現するのは得策ではありません。
うまく隠しているとはいえ、自分たちのあまり好ましくない部分をしっかりと伝えているともいえます。

みなさんは買う側の視点で見たとき、または広告を打つ側の視点で見たとき、どちらの広告がお好みでしょうか。

上手く使い分けよう

医師は専門家だから患者は黙って従えば良い。
少し言葉は乱暴ですが、このような考え方はインフォームドコンセントに対してパターナリズム(父権主義)といわれることがあります。

餅は餅屋、蛇の道は蛇。
いろいろな言葉はありますが、決してパターナリズムが悪いという話ではありません。

あくまで考え方の一つとして捉えてください。

どちらも良い点があり、そして悪い点があるのです。
広告も然り。

時と場合に応じてしっかりとした使い分けができれば、きっと更なるスキルとして上を目指せることでしょう。

さまざまな表現方法の特性を知った上で、どのような方法が自分にとって合っているのか。
しっかりと進む方向を定めることも大切だと思います。

Fin.

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