ショートストーリーのすすめ

クライアント様からのご依頼で、さまざまな媒体に適したコラムや投稿記事を要望されることもあるかと思います。
もちろん実際に体験をしたことから文章を執筆するほうが、素敵な文章として仕上がるには違いありません。

ところがそうそう上手く要望に合致した経験を持っていないことが現実でしょう。

そのようなときにでも、バッチリと期待に沿う方法があります。
頭の中で想像力をフルにはたらかせ、ロールプレイやシミュレートを行うのです。
これは文筆において非常に重要なスキルともいえるでしょう。

実際に私が以前に執筆したショートストーリーを掲載します。
“心温まる体験談”
という要望を1点のみいただいて執筆したものです。

ボツ原稿でして著作権は私にございますのでご安心ください。

~ちいさな出会い~

日差しも心地よく感じる今日このごろ。
いつもの公園へと日課の散歩です。

緑の街路樹を抜けると、小学生の二人組がスマートフォンで写真を撮りながら、何やら相談をしているようです。

「なんて名前なんだろう。」
「写真で見てもわからないよ。」

どうやら木の名前を調べている様子。

孫ほど年の離れた子供たちでしたが、少し話しかけてみようかと思いました。

「それはクスノキっていうんだよ。」

葉をもぎり、揉んで鼻に近づける仕草を子供たちに見せたところ、子供たちも興味津々。

「おー、凄く良い匂いがするね!」


少しだけ得意げに子供たちに話を続けました。

「これはね、樟脳(しょうのう)っていう匂いの元なんだよね。
おじさんが小さい頃は、タンスや引き出しを開けるとこの匂いが広がったもんだよ。」


ほのかに香る樟脳の匂い。
私たちには慣れた匂いですが、子供たちにとっては初めての匂いだったのでしょう。

「ありがとうございます!クスノキと樟脳ですね、覚えておきます!!」


確かに最近では樟脳の匂いを嗅ぐ機会もありませんでした。
しかし子供たちの元気な姿と子供時分の私の姿を重ねてか、何となくいつもより楽しい散歩が出来た気がします。


何気ない生活の中にも明るく、そして懐かしく思える出会いがあるのだなぁ、と感じました。
きっと自然の楽しさを、子供たちも少しだけ経験できたのではないでしょうか。

そんな出会いをさせてくれた自然の営みには感謝の言葉しかありません。

小さなヒントから育てる

このショートストーリーは、クスノキという木材に関する知識が若干ながらあったことがヒントとなりました。

ではそのヒントをもとにクスノキについて利用方法や歴史、由来や経緯などを調べていくことでストーリーの展開が可能となるわけです。

あとは心が温まるようなストーリー展開をイメージすると、上記のような文章が出来上がり!
といった流れになります。

創作は卑怯だ!
とおっしゃる方がいるかもしれません。

確かに陳腐な創作体験談では簡単に見透かされてしまうでしょう。

目的を明確に

創作をすることで、誰かの財産や利益を損ねることがあってはなりません。
私の持つ基準はその点です。

たとえばこの文章が何かしらの寄稿として掲載された場合、実体験などと称すればそれはウソになります。
そのような記載がなければ、あくまで読者に対しては心温まるストーリーとして完結するのではないでしょうか。

文章の持つ力を正しく使うことで、きっと誰かの心に届くと信じています。

Fin.

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